旅行記「歴史に名を刻め!!〜壮絶甲子園観戦記〜」その3

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2005年8月20日(2)「栄冠は君に輝く」

簡単に勝てれば苦労はない。
でも応援する側としてはなるべくならハラハラしたくはない。
試合は初回から動き、駒苫らしくない失策が重なり、取られては取り返す試合展開になる。
1プレーごとに起こる大きな歓声や溜め息が甲子園を揺らす。

頑張れ!!

頑張れ!!

それしか言葉が見つからない。
気象庁発表の気温が何度かは知らないが、甲子園の熱気は確実にそれを上回るはずだ。
でも不思議と汗はそれほどかかない。
プロの打球も押し返す浜風が、肌を乾かしてくれているからだ。


<浜風にたなびく応援旗>

ハマオはもう顔をくしゃくしゃにしており、僕は声を上げ過ぎて喉が痛くなってきている。

頑張れ!!

頑張れ!!

野球経験者のクロちゃんが、冷静に戦況を分析する。
僕らはド素人なので、とにかく目で見たプレーに一喜一憂するだけ。
後ろの座席で普通に観戦していた関西の大学生のグループは、駒苫ファンの熱狂ぶりに 驚きの声をあげていた。

6回、7回、8回・・・。
昨年のような派手な打ち合いにはならなかったが、両軍の策略が行き交う緊張感ある試合になった。
野球は全部で27コのアウトカウントを取れば試合が終わる。
テレビでプロの試合を見てるときはあまり感じないことだが、このアウトひとつひとつを 積み重ねていくことが物凄く途方も無いことのように感じてしまうのだった。

そして、歓喜の瞬間はやってきた。
9回表、最後の打者を豪腕田中君が三振に打ち取った時、甲子園がブッ壊れそうなほど アルプススタンドからは大歓声が轟いた。
ハマオ・クロちゃんと抱き合い、連覇の喜びを分かち合った。


<やったぜ!!>

閉会式が行われ、最後に両校がグラウンド内を1周行進する。
その間、スピーカーから「栄冠は君に輝く」がエンドレスで流される。
僕はもうすっかり喉がヤラれていたのだが、小さくかすれた声で歌詞を口ずさんだ。

あ ー あ ー 、 栄 冠 は 〜 君 に 輝 く 〜 ♪



<閉会式>

試合後、予想はしていたけれど駅前は大混雑。
とりあえず買いそびれていた「甲子園まんじゅう」を買おうと売店に急いだのだが、 すでに売り切れ。
やむなく甲子園クッキーなんてのを買い、しばらく電車に乗れそうもなかったので 甲子園の道路を挟んで向かいにあるダイエーに避難した。

小一時間ほど涼んだ後、改めて甲子園駅から梅田に向かう。
大阪在住のハマオの同期、O夫妻と夕食の約束をしてあるのだ。
試合ですっかり意気投合したクロちゃんも一緒だ。


<甲子園駅のホームは狭すぎる>

梅田でO夫妻と合流。
僕自身、会うのは随分と久しぶりだ。
目当ての店が混んでいて入れなかったのだが、そこは食い倒れの街・大阪。
適当に選んで入った店もすげぇ美味かった。
勝利の美酒ならなおさらだ。
飲みながらもクロちゃんとは甲子園のここ数年の名試合トークで盛り上がる。
さすがは元球児・いろいろと詳しい。


<お好み焼きテラウマス(゚Д゚ )>

僕とハマオは夜行バスだが、クロちゃんは新幹線の切符を既に購入していたので 途中で退席することに。
東京でまた優勝報告会(?)をやろう!!と約束してお互いの連絡先を交換し、 再会を誓って別れた。
そこからもうしばらく同じ店で飲んだり食ったり喋ったりで時間を過ごし、22時を回ったところで 宴はお開き。
応援疲れとアルコールですっかり消耗した僕とハマオはO夫妻に見送られながら、 JR大阪駅桜橋口から出るハイウェイバスに搭乗して帰京の途についた。


<休憩で寄ったSAにて>

およそ8時間ほど揺られて翌日の朝に東京に着いた僕とハマオは、それぞれの家に無事帰宅。
僕はキヨスクで買ったスポーツ紙4紙の記事をニヤニヤしながら眺め、録画しておいた熱闘甲子園を 見て大粒の涙をボロボロ流した。
ハマオは録画していた試合を最初から見て感動し、クロちゃんはスポーツ紙・一般紙合わせて10紙も購入したらしい。

来年の夏、また甲子園で会おう!!

(おしまい♪)



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