旅行記「2005年6月/夜行列車で行く名古屋滞在18時間万博ツアー」その3

その1||その2その3その4その5その6





その3「彼はひつまぶしを食べてみたかった」

ポケッチュというサイトがある。
名古屋・東海圏グルメ情報が充実しており、僕は出発前の数日は毎日仕事の休み時間中に どれ食おう何食おうと心の中でヨダレを垂らしていた。
きしめんやら味噌煮込みやら名古屋コーチンやら喫茶店モーニングやらあんかけスパゲッティやら挙げればきりがない中で、 僕は"ひつまぶし"っちゅーもんを一度食べてみたくて仕方なかった。
よく東名高速のSAなんかで"ひつまぶし"と表記されたノボリを見かけたことがあったのだが、 果たして名前からはどんな食い物なのか見当がつかない。
だから今回の名古屋攻めにおいて、僕は万博の次にひつまぶしとの対面を楽しみにしていたのだ。

前置きはさておいて。

名古屋から地下鉄東山線で2つ目の駅「栄」。
ここで降車し1番出口から歩くことほんの数分。
いかにも「老舗です」的な佇まいの店が見えたらそこが「いば昇」である。
明治に創業したこの店の先代が"ひつまぶし"を考案したんだとか。
店のオープンは11時で、僕らが着いたのは11時10分を過ぎたところ。
特に行列も無く、まあまだ開店してすぐだからねとタカをくくって 入店してみりゃすでに店内はほぼ満席。
幸いにも僕らはギリギリ相席で座ることができた。

んで、迷わずひつまぶしを注文。
さすがに時期が時期だけあって、明らかに万博目当ての客が多かった。
まあ僕らもだけど。
20分近く待ったか待たないかというところでひつまぶしさんのおでまし。
御櫃の中には炊き込まれたご飯にぎっしり散りばめられた鰻。
そいつをそれぞれの茶碗によそってスタンバイし、いざ参らん!と胃袋の中に放り込む。


<御櫃は写ってないけどひつまぶし>

な ま ら う ま い !(北海道弁)

朝食った天むすはとっくの昔に消化していた僕らは、本当に美味しくおいしく ひつまぶしを平らげ、とっても豊かな気持ちになった。
もう食後に一眠りしてから東京に帰ってもいいかぁくらいに。

満たされた気持ちで食後をのんびりしていると、トイレから戻ってきたよっちゃんが一言。
「客すげー待ってるよ!」
僕らは店のずっと奥まった席に居たので気付かなかったのだが、 開店して1時間近く経った店内はいつのまにか空席待ちのお客様たちで ごった返していた。
彼らの「オメーラ、食ウモン食ッタラサッサト帰レ!!」という無言のプレッシャーを感じた僕らはそそくさと 店を後にしたのだった。

いやはや、それにしても旨かった。
あえて評するならば、値段に対して量が少なめかなという気がしないでもなかったが。
まあまあ、それでも美味かったんだからオールOK。

再び地下鉄駅に戻った僕らは、いよいよ(ようやく)万博会場へ向かうのだった。

(つづく)



←その2へその4へ→


+++戻る+++