朝5時30分。看護師さんに起こされ、下剤と吐き気止めの薬を渡される。 あと検温。36.7度。平熱よりちょい高めだ。昨日の下剤で体調崩したかな? 今日の下剤はなんと2リットル!!((((;゚Д゚))) 飲んだ分だけ出てくるという、腸の中を洗い流すための下剤らしい。 これを1時間半くらいかけてゆっくり飲み、腸の中のカスが無くなるまで ひたすら排泄を繰り返すのだ。 とりあえず僕は10分ごとに200mlずつ飲むことにした。 まず1杯目を口に含む。 味は最高にマズい食塩水といったところか。 こりゃ200mlでも飲むのはちょっとつらい。 それ以後、2杯、3杯・・・と10分おきに飲み続け、6杯目を飲んだあたりから 波がやってきた。 幸いこのタイプの下剤は昨日服用したものと違い、腹痛はほとんど伴わないようだ。 トイレに駆け込み、便座に腰を下ろすとイキむ必要もなく飲んだ下剤が排出される。 その勢いたるや、去年見に行った黒部ダムの放水にも匹敵するんじゃないかと思うほどの水圧だ。 文字で表現するならドッシャアアアーッ!!って感じだ。 その後も数分ごとにトイレに駆け込むこと計8回。 こんだけ出しゃ腸内もキレイになっただろう。 度重なる排泄に疲労し、ベッドでぐったりしていると今度は点滴。 手術当日の今日は一日絶食のため、栄養を点滴で補給するのだ。 下剤・剃毛・点滴・・・僕にとっては何もかもが初めてづくしだ。 ところでこの病院では、毎朝各病室を新聞販売が回ってくる。 同室のYさんは会社でもかなりのポジションらしく、朝から電話で会社にいろいろ指示を出していた。 もちろんそんなYさんが購入するのは日経。 僕も日ごろは日経を購読しているが、今日だけは特別。 駒大苫小牧が感動の優勝を果たした昨日の甲子園の結果が一面に出ているスポーツ新聞を3紙購入。 五輪の女子マラソンで金メダルが出たらしいけど、道産子にとっては金メダルより価値のある勝利なのだ。 ま、これは余談。 午前9時を回ったころ、腹部のレントゲンを撮影。 このときすでに僕は病院ドラマで患者さんが着ているような服に着替え、 下着には大腸検査用にあつらえたお尻の部分がパッカリ空いてるパンツを履いた。 レントゲンを終え、次は午前中のメインイベントである大腸の内視鏡検査。 弱めの麻酔を打たれ、若干朦朧とした意識の中でモニターに映し出される自分の腸内を見つめる。 思えば自分の臓器の内部を見たのは初めてだ。 先生が言うには悪い点は見当たらないとのこと。 どうやらクローン病ではなかったようだ。一安心。 下痢をしやすいのは腸の働きの問題じゃないだろうかと言われた。 検査後、いよいよ麻酔が効いたのかしばしストレッチャーの上で仮眠。 30分ほど寝たあと、半分ボーっとした頭で病室に戻る。 すると今度は今までとは違うタイプの腹痛に襲われあわててトイレへ。 何が出るのかと思いきや膨大な量のガスが出た。 内視鏡検査のときに空気でお腹を膨らませたので、それが今になって出てきたのだろう。 ブビーーーーーーーーーーーーーーーーッ!! すごいすごい。張っていたお腹が一気にしぼむ。あんまりに勢い良く放出されるので驚いた。 多分トイレの外にも大音量で響いたことだろう。 そんなこんなで慌しい午前中を終え、午後からはいよいよ大本命。 手術だ。 再びストレッチャーに乗せられ、手術室へ運ばれる。 よくドラマとかで見るような光景と同じだ。 手術室に入ると手術台の上にうつ伏せになる形で載せられ、腰椎麻酔をブチ込まれる。 ほんの一瞬、腰から足の指先まで軽い電気ショックのような感覚が走る。 それと同時に下半身の感覚が徐々に自分の支配から離れていく。 足の指先はかろうじて動かすことができるが、問題の箇所については完全に麻痺したようだ。 そこで執刀医である院長先生の登場。 ついにオペの開始だ。 うつ伏せになっているため背後で何やらカチャカチャ音が聞こえるだけで、 実際に自分のケツまわりがどのようにいじられているのかは全くわからない。 まあそれも麻酔が効いているおかげなのだが。 多少の痛みは覚悟していたのだが、何の痛みも無いまま30分ほどで手術は終了。 「切除したろう管とイボ痔をご覧になりますか?」 と看護師さんに聞かれて、僕は迷わず「ハイ」と答えた。 やはり自分をここまで苦しめてきた元凶を一目拝んでおかねば。 それにしても診察の時にはわからなかったのだが、イボ痔まで発症していたとは・・・。 目の前に出されたガーゼの上には正義の刃で成敗されたろう管とイボ痔が横たわっていた。 なんともいえないビジュアルだ。 イボ痔はタコ焼きの中に入っているタコみたいで、ろう管についてはなんというか、灰色のミミズ? みたいな感じ。 痔ろうによって発生したろう管は僕が思っていたより長いものだった。 こいつのせいで僕は膿みやガス漏れに悩まされていたのだ。 院長先生から手術の説明を受けて手術室から病室へと戻ったのは午後2時過ぎ。 それからは下半身麻痺およびもてあます時間との戦い。 少しずつ麻酔の効果が薄れてきているのか、メスを入れたお尻が若干痛む。 痛み止めの薬を飲んではいるものの、ある程度は仕方ないのだろう。 寝たり覚めたりを繰り返すうち、夜になった。 ここまでいろいろ初めてづくしだったが、ここで新たな初めてが登場。 「初めての尿瓶」 ちなみに午後9時まで尿が出ない場合は、尿管を入れるとの宣告が。 現在は午後7時を回ったところだ。 僕は頑張って水分を補給し、自分の体に尿意を促す。 8時を過ぎたころ、尿意が来たには来たのだが下半身が麻痺しているせいか ものすごく遠くに感じる。 一応尿瓶を手に取り、絶対人には見せたくない格好で排尿を試みる。 ・・・。 ・・・・・・。 出ん。(´Д⊂ 再び水を飲み、より強い尿意を待つ。 尿管だけはご免こうむりたい。 8時半を回ったあたりで、もうリミットも近づいていることもあり 再び排尿リベンジ。 う〜ん、出ろ〜、出ろ〜。"(,,゚Д゚) " なんで小便するのに額に汗をにじませて力まにゃならんのだ〜。出ろ〜。 すると、頼りない勢いではあるが少しずつ待望の尿が出てきた! よっしゃ!出ろ!!もっと出ろ!!!とにかく出ろ!!!! どれほど強く願っても勢いが増すことは無かったが、ある程度の量は確保できた。(;´ρ`)フィーッ ちなみにこの後も何度か排尿に成功したのだが、一度だけ看護師さんに排尿シーンを モロに目撃されたのはここだけの秘密だ。(*´д`*) ・・・これでもう怖いものなど無い。 まぁとにかく尿管を入れられることも無く、なんとも長ーい一日が終わったのだった。 |