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Phase-01:その名は痔ろう



2004年7月24日(土)
10時43分
アルト新橋クリニック


長年悩みに悩んでいた痔の診察をついに受けることにした。
ネットでいろいろ調べてみたところ、僕の症状は恐らく「痔ろう」
勿論、専門医に見てもらうまでは推測の域を出ないが、ほぼ間違いないと思う。
なんせ僕のお尻には本来男性であれば1つしかないはずの"穴"が、どういうわけかもう1つあるからだ。
いつからそうなったのかは失念してしまったが、つまりそれほど長いことこの状況が続いている。
まあ、日常生活を営む分にはさしたる弊害はないんだけど、ちょっと異常なのがおならをするとき。
通常健康な人であれば、おならをぶっ放すときの出力先は当然ながら肛門だろう。
ところが僕の場合はガスが途中で道を外してしまい、例のもう1つの穴から出てしまうのだ。
百発百中でそうなるワケではないが、椅子に座っているときや歩行中は大抵このもう1つの穴から排気される。
その場合、やはり本来の通り道ではないので少し痛むのだ。
それから僕は子供の頃からお腹が緩みがちな体質で、トイレに行く回数が多い。
だから他の人よりも肛門を酷使しており、ヒリヒリすることがよくある。出血もたまに。
こりゃあいいかげんに治したほうがいいだろうなと思ってはいたものの、日頃から風邪を引くこともなく 医者にお世話になる機会が少ない僕にとって、病院はなんとなく二の足を踏んでしまう場所でもあった。
けれど痔ろうは薬では治らず手術が必要と知って、急遽診てもらうことにしたのだ。

で、今回お世話になったのがアルト新橋クリニック
ちなみにアルトのスペルはARTで、A:anal(肛門) R:rectum(直腸) T:treatment(治療)の略。
痔の治療で有名な東葛辻仲病院の分院である。
辻仲病院が千葉の我孫子にあり、ウチからはちょっと遠かったのでこの新橋の方にやってきたというわけだ。

午前中の早い時間に来たおかげで人もそんなに多くは無く、僕の順番はすぐにやってきた。

「はい、それではズボンと下着を太ももくらいまで下げて横になってください」と看護師さん。
うぅ、やっぱりアレ(触診)をするのね・・・。
もうどうにでもなれとばかりにズボンをずり下げ、タオルで下半身を覆う形でベッドに横たわる。
「はい、それではちょっと診てみますね~」と本日担当の先生。

来るのか?来るのか?・・・あ゛あ゛っ!!

今まで経験したことの無い衝撃が全身を駆け抜ける。
恐らく今まで何百、あるいは何千もの"穴"を制圧してきたであろう先生の黄金の指が、僕の中に進入してきた。
「口を開けて、苦しかったら息を吐いてくださーい」と言われ、たまらず僕は喘ぎだした。

グリグリ!!グリグリグリ!!(僕の中での先生の指の動き)
ハアハア!!ハアハアハア!!(僕の情けない鳴き声)

「はい、痛いですけど我慢してくださいね~」

グリグリグリ!!(僕の中での先生の指の動き)
ハアハアハア!!(僕の以下略)

「はい、終わりました~」

ハァ~・・・。(燃え尽きた)

大切な何かを奪われたようなグッタリ感を覚え、僕はげっそりした顔でズボンを履き直した。
改めて先生の対面に座し、お話を伺う。

「痔ろうですね」

ここまでは予想してたとおり。

「それから・・・年齢的に大腸の病気かもしれませんね」

これは予想外の答え。
年齢的に・・・ってどういう意味ですかな。若いってこと?それとも老体ってこと?

「大腸の検査をした方がいいと思いますので、辻仲病院で診てもらってください。紹介状書きますので。」

さらに予想外の答え。我孫子が遠いから新橋まで来たというに・・・。
とはいえこうなりゃ乗りかかった船。幸いまだ午前中だし、今日中に洗いざらい調べてもらうか!!
僕は気を取り直して紹介状を受け取った後、マックで燃料を補給してからJRを乗り継いで我孫子駅へと 向かったのだった。




2004年7月24日(土)
13時00分
JR我孫子駅


今日もあちぃなー。
って、まだ新橋で見てもらってから3時間くらいしか経ってないわけだが。
駅から無料送迎バスが出ているというので、バス停へ向かうとすでに先客が2人いらっしゃった。
1人は20代後半~30代と思しき女性。もう1人は仕事帰りだろうか、スーツ姿の男性。30代半ばといったところか。
みな一様に神妙な面持ちでバスを待っている。そりゃ笑顔になれるはずも無いだろうけど。
炎天下で待つこと数分、僕らを病院へ運ぶバス(というかワンボックスカー)がやってきた。
運転手もなぜか無言だったw
不安を募らせる間もなく、5分ほどで辻仲病院に到着。なんだ、近いのね。




2004年7月24日(土)
13時10分
東葛辻仲病院


さすがは本院だけあって、待合室は患者さんでごった返していた。
受付を済ませ、またしても同じような問診票を記入し今度は20分ほど待たされることになった
(それでも早い方かもしれないが)。
「4番診察室にお入りくださーい」とアナウンスが響く。
そこで本日2度目のケツ出しルックで横になっていると、この病院のホームページで見たことのある顔の先生=院長さんがやってきた。
「フム、痔ろうね・・・」予め紹介状に目を通していたのであろう、先生は誰にとも無くそう呟いた。
「それじゃ診ますねー」
来るのか?来るのか?・・・あ゛ぅ!!

今まで経験したことの無い・・・じゃなくて、つい数時間前にも味わったあの感覚が再び体を駆け巡る。
恐らく今まで何千、あるいは何万もの"穴"を制圧してきたであろう先生の黄金の指が、(略
「つらかったら口を開けて、息を吐いてくださーい」と言われ、たまらず(略
グリグリ!!グリグリグリ!!(先生の指テク)
ハアハア!!ハアハアハア!!(まだ慣れない)

「はい、痛いですけど我慢してくださいね~」

グリグリグリ!!(先生のフィンガーテク)
ハアハアハア!!(苦しみが快感に・・・なるわけない)

「はい、終わりました~」
ハァ~・・・。(成仏)
一日に2つの病院でケツに指を突っ込まれに行く人なんてそんなにいないのではなかろうか。
すっかり精も根も尽き果てた表情で院長先生のお話に耳を傾ける。

「もう聞いてると思うけど、深い痔ろうだねぇ」
「普通、浅い痔ろうだとこうなって・・・だけどあなたの場合は・・・こう後ろから・・・」と図解で詳しく説明してもらった。

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【診断結果】
・複雑痔ろう(要手術&入院)
・大腸に病気の可能性アリ(手術時に検査)
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大腸の病気に関しては「クローン病」というのが一番疑わしいらしい。
これは別に"複製"という意味のクローンではなく、発見した人の名前に由来した病名で、10~20代の人に好発し、要は腸が炎症を起こしてお腹を下しやすくなっているというもの。
で、下痢が頻発することでそのバイ菌が痔ろうをもたらしたのではないかということだ。
現時点では推測でしかないが、いずれにせよ大腸の検査も含めてなんと入院は10日間は考えておくようにと。
今までネットで痔ろう患者の闘病記風サイトをいくつか見てきた限りでは、長くても入院は1週間ほどのが 多かったけど、まさかそれを上回る期間が提示されようとは夢にも思ってなかった。

診察後、早速入院の説明を受ける。
どうせやるなら早いに越したことはないだろうから、僕はすぐにでも入院するつもりでいた。
しかしながらそう考えているのは誰しも同じで、この時期は夏休みを利用してくる人が多いのだという。
当てが外れた僕は、手帳に書き込まれたスケジュールと病室の空き状況を見比べながらなんとか8月22日に
入院の予定を組んでもらった。
まだ1ヶ月も先のことになるが、今日見てもらわなかったらもっと遅くなってしまったかもしれないので
余計なことは考えないことにした。

そして入院前の検査として採血・心電図・胸部X線をこなし、この日は終了。

5日分の薬(何に効くんだ?)をもらって帰路についた。
結局今日は病院巡りで半日使ってしまったなぁ・・・。

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【本日の出費】
・診察料(新橋):\820-
・診察料+入院検査(辻仲病院):\4,990-
・薬代:\890-
・えもいわれぬ疲労感:priceless
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Total:\6,700-
※移動に要した交通費は除く
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